育児・介護規定の整備は社内アンケートから|社内の声で離職防止につなげる事例

CASE STUDY — 続編

就業規則の整備と一緒に、
スタッフへのアンケートをとりました

前回の記事では、就業規則と勤怠システムの整備に4ヶ月かかった話をお伝えしました。今回はその続きです。

就業規則の改定に合わせて、従業員へのアンケートを実施しました。Googleフォームを使った無記名の調査です。そこに、管理する側が気づいていなかった声が集まりました。

WHY WE DID THIS

法改正で、「義務」になったこと

昨年の育児・介護休業法の改正により、事業主には新たな義務が生じました。育児期の柔軟な働き方について、どの制度を選択するかを決め、就業規則に明記し、従業員に周知することです。

「周知する」とは、ただ掲示するだけではありません。従業員が制度を知り、必要なときに使える状態にすることが求められています。そのためにまず、現状を把握する必要がありました。

「どんな制度が必要か」を決める前に、「従業員が今どんな状況にいるか」を知る。そこからアンケートの設計を始めました。

WHAT WE HEARD

自由記入欄に、思わぬ声がありました

管理する側は、「シフト変更の際は、職員同士でうまくやっている」と思っていたそうです。でも、アンケートの自由記入欄に書かれていたのは、少し違う実態でした。

代わってもらう側のスタッフは、頼むことに気を遣っていた。声に出さずに、ひとりで抱えていたのです。

また、「休暇や休業の制度について、もっと知りたい」という声も複数ありました。知らないから不安で、不安だから使えない。制度はあっても、届いていなかった。

黙って退職するより、事前に声を拾えたほうがいい。このアンケートは、離職を防ぐ上でも、とても意味があったと思っています。

SURVEY RESULTS

アンケートの結果、見えてきたこと

回答者26名。育児・介護支援制度に関する意向調査の概要をご紹介します。

01 FINDING

現在の状況——「今は関係ない」人が一定数いる

育児・介護の当事者ではない職員が一定数を占める一方、小学生以上の子を養育中の職員も多く、今後の介護への移行を考えると幅広い層に関係する内容でした。

「今は関係ない」と思っている人ほど、いざ直面したときに制度を知らないまま選択を迫られます。だからこそ、事前の周知が重要です。

02 FINDING

育児支援——「フルタイムで定時に帰りたい」

希望する働き方として最も多かったのは、正職員の短時間勤務制度。次いで、時差出勤や早番・遅番の固定が挙げられました。

残業免除制度については、利用に前向きな回答が多数を占めました。「時短ではなくフルタイムで給与を確保しつつ、定時で帰りたい」というニーズが強く表れています。

経済面と時間の両立。これが、育児中のスタッフにとって最大の課題です。

03 FINDING

介護支援——大多数が「知らなかった」

介護休業制度が雇用形態を問わず利用できることを「知らなかった」という回答が大多数を占めました。介護休業給付など、制度はあるのに知られていない。これが現実です。

不安なこと・1位

介護休業中の経済面

不安なこと・2位

相談窓口や社内制度がわからない

情報提供の方法としては、掲示板や共有フォルダへの資料設置、リーフレット配布など、いつでも自分で確認できる形が望まれました。

04 FINDING

急な欠勤——「お互い様」だけでは足りない

急な欠勤時に最も負担に感じるのはシフトの穴埋め・代わりの職員調整でした。

同僚の制度利用については「お互い様なので応援したい」という声が大半。一方で、「業務をカバーした場合の手当や評価があれば納得できる」という意見も一定数ありました。

支える側への配慮を制度に組み込むこと。これが、制度を長続きさせるための鍵です。

05 FINDING

自由記述——制度と関係ない声も届いた

自由記述欄には、在宅ワークの導入、特別休暇の新設、部署間の連携強化など、働き方に関する建設的な提案が複数寄せられました。

一方で、待遇面への不満など、アンケートの趣旨とは直接関係のない声も書かれていました。

これを「関係ない」と流すのは、もったいないと思います。不満を抱えたまま黙って退職するのではなく、声として出てきた。それ自体が、職場への関与の表れです。拾えたことに、意味があります。

TAKEAWAY

制度を整えるだけでなく、
声を聴くことが出発点です

育児・介護支援制度の整備は、法律上の義務です。でも、それ以上に「職員が安心して働き続けられる職場を作る」ための取り組みでもあります。

今回のアンケートで見えたことは、制度の存在を知らないことによる不安の大きさ、そして声に出せていない気遣いでした。

就業規則を整え、制度を周知し、職員の声を聴く。この一連の流れが、離職を防ぎ、職場を安定させる基盤になると、改めて感じています。

WHAT WE CAN DO

「辞めなくて済む選択肢」を、
従業員に知ってもらうために

制度は、知っていなければ使えません。育児や介護に直面したとき、「休める」「短くできる」「給付がある」と知っている職員と、知らない従業員では、離職を選ぶかどうかの分岐点が変わります。

規定類の設計を進める中で、スパツオーネ社労士Webでは以下のような提案をしています。

育児・介護制度の社内研修

どんな制度があり、いつ、どう使えるのかをスタッフ向けにわかりやすく説明します。管理職向けと一般職向けで内容を分けることもできます。

制度一覧の見える化・資料整備

いつでも自分で確認できるよう、制度をまとめたリーフレットや共有フォルダへの資料設置をサポートします。

意向調査・アンケートの設計と実施

今回のように、職員の現状やニーズをGoogleフォームなどで把握。制度設計に活かすだけでなく、声を拾う仕組みとして継続的に活用できます。

育児・介護に直面したスタッフへの個別対応サポート

「どの制度が使えるか」「申請はどう進めるか」を、スタッフ本人や管理職と一緒に整理します。

辞めなくて済むことを、従業員自身が知っている職場。それが、長く安定して人が集まる職場の条件だと思っています。

 

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育児・介護支援制度の整備、従業員への周知・意向調査まで、スパツオーネ社労士Webがサポートします。就業規則の見直しとあわせてご相談ください。打合せはオンラインで、大阪から全国対応しています。

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