不都合な調査結果は隠すべき? 人権デュー・ディリジェンスの情報開示とは【社労士が解説】

こんにちは!大阪を中心に活動しております、BHR推進社労士の竹本です。

前回は、リスクが見つかっても「即契約解除」せず、対話して一緒に改善していく「是正・救済」についてお話ししました。

今回は、人権デュー・ディリジェンス(人権DD)シリーズの第4弾として、対策をした後の「追跡調査(モニタリング)」と、その結果をどう扱うかという「情報開示」について解説します。

元人事部で現役パーソナルスタイリストのじゅんさんとのYouTube対談でお送りした、企業のブランディングにも直結する重要なお話です!

1. 報告書で一件落着、の落とし穴

取引先の工場で問題が見つかり、話し合いの結果、「改善報告書」を持ってきてくれたとします。「もう二度としません」と書いてあり、これで一件落着……。もしあなたが人事担当者なら、ホッとして書類をしまいたくなるかもしれません。

しかし、「ホッとして終わり」にしてしまうのが、多くの企業の落とし穴なんです。

報告書を信じきらずに、本当に良くなったか確認するには、事故の発生件数が減ったかなど、数字で確認することが正解です。これを人権DDでは「追跡調査(モニタリング)」と言います。

📋 企業事例

  • パナソニック:事故の対策後に事故件数がどう変化したかという数字を追跡
  • キヤノン:長時間労働の対策として、システム上の労働時間の実績値を確認

健康診断のように、定期的に数値でチェックし直すことが重要です。

2. 不都合な真実は隠すべきか? 最大のリスクとは

追跡調査の結果、「まだ完全には直っていない(リスクが残っていた)」ことが分かったとします。この不都合な事実を公表しますか?

日本企業の多くは隠蔽するのがあるあるです。しかし、人権DDの世界では、隠すことこそが最大のリスクなんです。

今はネット社会ですから、隠しても内部告発などでバレる可能性があります。そうなれば「隠蔽していた」として大炎上してしまいます。

「こういう課題が見つかりましたが、今こうやって直しています」

正直にプロセスを公開する会社の方が、投資家や消費者から信頼される時代です。

3. 成功自慢ではなく覚悟を見せる情報開示

恥部を晒している会社なんてあるの?と思うかもしれませんが、たくさんあります。

  • 東芝:取引先への是正指導を行った社数など具体的な数字を公表
  • ファーストリテイリング:工場の監査結果をランク付けし、各ランクの割合を包み隠さず公開

情報開示とは、成功自慢をすることではありません。「私たちは不都合な課題からも逃げずに、向き合っています」という覚悟を見せることです。これが、選ばれる企業の条件です。

💡 YouTubeより:じゅんさんのエピソード

インスタグラムで腸活のビフォーアフターとして、ぽっこりお腹の画像を公開。勇気が要ったそうですが、隠さずに出したことで「この人はリアルだ」「信用できる」と好評に。完璧なフリをするより、課題に向き合う姿勢を見せる。それが一番のブランディングになります。

4. まとめ:人権DDは終わらないサイクル

人権DDは、一度やったら終わりのテストではありません。

人権DDのサイクル

  1. 1 方針を作る
  2. 2 リスクを特定する
  3. 3 是正する
  4. 4 追跡調査(モニタリング)をする
  5. 5 情報開示をする → ①に戻る

このサイクルを回し続けることで、会社はどんどん強くなり、働く人からも社会からも愛される存在になります。

🎬 動画でサクッと見たい方はこちら!

※https://youtu.be/llSKwWv-Itk

 

Blogビジネスと人権シリーズのリンク

 

ビジネスと人権(人権DD)シリーズ第1弾

ビジネスと人権(人権DD)シリーズ第2弾

ビジネスと人権(人権DD)シリーズ第3弾

ビジネスと人権(人権DD)シリーズ第4弾

ビジネスと人権(人権DD)シリーズ第5弾

ビジネスと人権(人権DD)シリーズ第6弾

 

人権DDは「報告書で終わり」ではありません。
数字で追跡し、不都合な真実も開示する。
その誠実さが、信頼される企業をつくります。

誠実な企業でありたい。
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